さて、季節は秋深まる11月。
群馬県は下仁田町の「荒船山(あらふねやま)」への紅葉狩りのお話しをさせていただきます。
天気の良い日には、高崎からも、切り立った断崖が見えます。
どんな道があの断崖に繋がっているんだろう?と不思議に眺めていたところ、お誘いをいただき、初訪問してきました。
🍁秋にはいろいろ見るけれど
歩き始めて、さっそく色づき始めた葉っぱに出会えました。
赤いウチワカエデ、黄色いダンコウバイ。
ところで、「もみじ」と「かえで」の違いって、なんなのでしょう。
「もみじ(紅葉)」は葉が色づくことから、着物を染める様子の古語「もみ出ずる」が語源だそうです。
他方、「かえで」は葉の形が蛙の手に似ているから、「かえるで」→かえで、と呼ばれるようになったそうです。
参考:ウェザーニュース|「もみじ」と「かえで」の違いを知っていますか?
🍁思わず乗り出したくなるけれど
冒頭の写真の切り立った断崖は「艫(とも)の岩」。艫=「船の後部、船尾」という意味で、まさに荒船山を代表するスポットです。
断崖真下は絶景!
落下事故も多発しているので、覗き込みすぎてはいけません。
左手には長野の八ヶ岳~白馬岳~浅間山、右手には群馬の谷川~榛名が一望できます。
道中「鋏岩修験場跡」では、ダイナミックな岩壁が見られました。
スターウォーズに、こんな眺めの惑星が出てきたような。
艫の岩から30分ほどで、荒船山の山頂に着きました。
登り路は、今朝下りた霜が溶けてぬかるんでおり、ちょっとたいへんでした…
🍁美しい季節は短いけれど、だからこそ
古今和歌集に、藤原興風(ふじわらのおきかぜ)という方の歌で「いたづらに 過ぐす月日は 多かれど 花見て暮らす 春ぞすくなき」というものがあります。
意訳させていただくと「あれこれに追われて日々が過ぎるけれど、花を見て楽しむ季節はなんと短いのだろう」でしょうか。
参考:名歌鑑賞・1503|名歌各句鑑賞
美しい紅葉や花に会いに行くためには、お天気はもちろんのこと、自分の健康状態やそのほかのスケジュールとの相談が必須です。
そうして予定した日の直前に、いきなり荒天に見舞われ、あえなく失恋…なんてことも、珍しくありません。
今回の紅葉も、思った以上に葉っぱの散りがはやく、見ごろにピンポイントで訪れるのは難しいと感じました。
美しい自然に会えるのは、いつも一期一会。
得難くありがたい機会なので、なるべく足を運びたいなと思っています。
下山後、頂上を振り返って。
陽が落ちる前、白い月が浮かんでいました。
ご笑覧ありがとうございました!